夢枕獏公式Blog「酔魚亭」

琵琶湖

「琵琶湖へタナゴを」第4回 最終回

琵琶湖へタナゴを 4-1

琵琶湖へタナゴを 4-2

琵琶湖へタナゴを 4-3

 ようやく、本命のタナゴを釣って、あまりの寒さに、ここでやめました。


                「琵琶湖へタナゴを」了

★★夢枕獏写真日記「琵琶湖へタナゴを」は2012年3月に会員制ホームページ「蓬莱宮」に掲載したものをブログ用に再編集しています。★★

「琵琶湖へタナゴを」第3回

琵琶湖でタナゴ 3-1

琵琶湖でタナゴ 3-2

 外道でモロコかと思いきや、そうではありません。

★★夢枕獏写真日記「琵琶湖へタナゴを」は2012年3月に会員制ホームページ「蓬莱宮」に掲載したものをブログ用に再編集しています。★★

「琵琶湖へタナゴを」第2回

琵琶湖でタナゴ.2-1

琵琶湖でタナゴ.2-2

しかし、寒い、寒い。
風をさけて、舟だまりのタナゴをねらうもなかなか釣れません。

「琵琶湖へタナゴを」第1回

琵琶湖でタナゴを_01

琵琶湖でタナゴを_01-2

 琵琶湖へ、タナゴを釣りに行ってきました。
 彦根市で『大江戸釣客伝』の、舟橋聖一文学賞のイベントをこなして、湖北へ。


★★夢枕獏写真日記「琵琶湖へタナゴを」は2012年3月に会員制ホームページ「蓬莱宮」に掲載したものをブログ用に再編集しています。★★

冬へ向かう琵琶湖  by yy

琵琶湖に行って来ました。
鶏足寺(けいそくじ)へ。
今は廃寺となったお寺の参道の紅葉です。
鶏足寺は、琵琶湖の湖北、有名な国宝十一面観音の安置してある渡岸寺より3キロ程北に行った山の中腹にある無人のお寺。
この鶏足寺のある山は己高山(こだかみやま)といって奈良時代から山岳仏教の聖地だったところです。
伊吹山、霊仙山、比叡山と琵琶湖をとりまく山のそれぞれに古い歴史があり、その山の歴史を調べている間にどこかでつながっていく過程は本当に面白く、私が琵琶湖に惹かれる原因もそういうことにあるのですが。
大陸の文化が日本海から入り、湖を渡り、奈良へと向かった地。
中山道と東海道、北国道。文化も人も行き交った地。
今は無住となった鶏足寺ですが、その歴史を紐解くだけでも本当に数多くのことが見えて来るのです。
鶏の足のお寺。それにしてもなぜそんな名前なのか…。


2010_12_06-1



12月に入ってからの湖北は今回が初めてでした。
前回訪れた時は11月初め。まだ紅葉には早く次回はぜひ紅葉の時季にと思っていました。
その紅葉の参道ですが、いつ行っても村の人が手入れされています。
近くにある石道寺もそうなのですが、おじゃまさせていただくという感じに近いです。
週末でしたが、雨の上がったばかりの夕刻の参道は訪れる人もまばらで、古い石垣と苔の緑と紅葉、雨のしずくが球面の光を映し、それは美しかったです。


湖北にある余呉湖にも足を伸ばしてきました。
琵琶湖から見れば賤ヶ岳の向こう側にある小さな湖です。
昔は外来種のいなかった余呉湖らしいのです。ですが、今は例によって例のごとく。
小学生の男の子が網を持って流れ込みで楽しそうに何かを取っていたので「何を取ってるの?」と聞いたら、見せてくれた小魚は、ブルーギルでした。
バケツに一杯のブルーギルを見てしまいました。



今回は初めての釣りを兼ねた琵琶湖行き。
小さな釣り竿を持っての琵琶湖産の魚を釣るための同居人の釣り旅です。
少しでしたが同居人曰く最高の釣りができたそうです。
何でも、年を取ったら(今でも十分なお年ですが)一日中日だまりでタナゴ釣りをしていたいのだとか。
絵に描いたような「じいさん」ですなっ。
今回は爪楊枝を浮きの代わりにして、持っていた最中の皮をエサの代わりにして釣ってきました。

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(どんべ最中。どんべとはどんな意味なのですか? )


釣るなら本当は私は琵琶湖のモロコの方がいいですが・・・。
琵琶湖では今はほとんど釣れなくなったといわれるホンモロコ。
以前に京都で、炭火で焼いたホンモロコを食べてから目からウロコのモロコです。
小さな竿で湖に釣り糸を垂れ、釣り上げたらそれを焼いて食べる、そして日本酒をちびりと。
昔の琵琶湖の素晴らしさは九州育ちの私にはよくわかりません。
ですが昔の琵琶湖の話を読むたびに心が震えます。
琵琶湖畔の村に置いたままになっている古い小舟を見るたびに胸が熱くなります。
琵琶湖に浮かぶ沖島に行った時もその島には漁港があって、その不思議な光景に海の漁港しか知らなかった私はたいそうときめきました。
沖島の鮒鮨はとても美味しい逸品でした。
大切に家に持って帰りちびりちびりと日本酒でいただきました。
今回は鮒鮨は手に入りませんでしたが、その代わり長浜でパンを買って来ました。
とても美味しい、クルミの入った「いしがまパン」です。このお店も、思えば不思議なお店です。
観光客がひきあげた夕方の長浜の淋しいアーケード街。
そこで買ったパンをかじりながら、家でワインを一人飲みつつ琵琶湖に来る冬を思っている私なのでした。

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光の受苦 by yy

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 丸の内で


光が現界に入り、さまざまの状況に出会うときに示す、多様な表情を色彩として捉えたゲーテは、「色彩は光の行為であり、受苦である」と言ったそうだ。

受苦。
光の受苦とはー。
この文章は私の大好きな、染織家の志村ふくみさんの文章の一節から。

染織家は色をどのように見るのだろう。
染色家にとっての色とは、いったい何なのだろう。
彼女はもう随分昔に大分で偶然に茜の群落を見つけたそうである。
国東半島や深耶馬渓で夢中になって茜を掘り続け、そして何百年もの間地中に眠っていたその茜を染め上げ、彼女は深く見つめ続ける。
あまりにも初々しくかがやくばかりのその色に戸惑い、織るすべも忘れて考える。
植物からの色が抽出され、触媒されて行く過程は光の旅だと。
人間もまた同じ。様々の事象に出会い、苦しみを受け、自身の色に染め上げられていくのも同じことではないかと。

深く見つめ続ける彼女の手によって染め上げられた糸。
彼女の手から織り上げられる作品は、それがゆえに孤高の光を保ち続けるのであると私は思うのです。

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 晩秋の芦ノ湖

志村ふくみさんは1924年滋賀県近江八幡生まれの染織家。

秋が深まってゆく頃になるとどうしても琵琶湖の近辺を歩きたくなる。
この時期、琵琶湖に射す光はくらくらする程美しい。
古来からの仏や植物が♭の音符になって、旅人として彷徨う私の心を射かけてくる。
晩秋の琵琶湖に私がこんなに夢中になるのは、多分志村ふくみさんの文章に出会ったことによる影響もあると思う。
琵琶湖の水と近隣の自然、琵琶湖周辺の人々の生活や歴史が彼女のものの見方を見事に色どっている。
彼女の文章を読むたびに琵琶湖を思い、深く息を吸い込んでいる私がいる。
もう随分昔、銀座で、彼女の琵琶湖の水と葦を現したため息のでるような美しい作品に出会った時。
私はその作品の前にどのくらい立っていただろう。
彼女が染め上げた色を使って、琵琶湖の水を織り上げた美しい作品。
私は作品の前を何度行き来しただろう。


今年はまだ忙しくて一度も琵琶湖には行けずにいる私。
目の前の思うようにいかない仕事も多分、人生の旅で言えば受苦の一つ。
けれど旅に出なくて本当にいいのかと、今日も自分が自分に問いかけてる。


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プロフィール

夢枕 獏

作家、1951年1月1日、神奈川県生まれ。 東海大学文学部日本文学科卒。
1977年に作家デビュー。 以後、『キマイラ』『サイコダイバー』『闇狩り師』『餓狼伝』『大帝の剣』『陰陽師』などのシリーズ作品を発表。 1989年『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞、1998年『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞。2011年『大江戸釣客伝』で泉鏡花文学賞と舟橋聖一文学賞を受賞。同作で2012年に吉川英治文学賞を受賞。
漫画化された作品では、『陰陽師』(漫画 岡野玲子)が第5回手塚治虫文化賞、『神々の山嶺』(漫画 谷口ジロー)が2001年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞をそれぞれ受賞。 映画化された作品に『陰陽師』『陰陽師2』(東宝)、『大帝の剣』(東映)などがある。

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