人は美しいものに動かされるーーー
写真の持つ力。それは時に凄まじいほどのインパクトで私に迫って来ます。
報道写真がそうです。事故現場の写真。戦争被害の写真。貧困と飢餓の世界。世の中で起きている理不尽な出来事の数々。泣き叫ぶ人たち。それは映像よりも鋭く私の心に突き刺さってきます。
できれば見たくなかった。あまりにダイレクトすぎて私はその写真から目を背けています。それで自己嫌悪に陥ることもあります。
目を背けてはならないだろう?社会の現実を知るべきだろう?と。
でも、もし美しい写真を見せられたとしたら、思わず見入ってしまうでしょう。
惹き付けられて、心はその写真とどこまでも遠い旅をするでしょう。
同時に美しい写真は人の心を癒します。人は根源的に美しいものに惹かれるのです。

コペンハーゲン映像ミュージアムの中にある美しいカフェ
外の景色は学校の校舎、時折学生の姿が見える。
恵比寿の東京都写真美術館で開催中のセバスチャン・サルガドの「アフリカ」という写真展に行ってきました。
サルガドは1944年ブラジル生まれ。現在65歳。
軍事政権下にあった故郷ブラジルを離れ、パリ大学で経済学を学び、その後、ロンドンに本部を置く国際コーヒー機構に就職。そこでアフリカに派遣され、それがきっかけで写真を撮るようになり、写真家に。彼の写真はアフリカが重要な舞台。アフリカは彼にとっては人類の根源的な舞台。その被写体の魅力に取り憑かれ、そしてそれから派生して生み出される彼の作品群。
今回の恵比寿での展示のテーマは「アフリカ」
30年ほどの間サルカドが撮り続けてきた写真の変遷を辿る、という意味でもとても興味深いものでした。
彼は現在「GENESIS」(起源)というテーマで世界各地の自然、動物、先住民族の撮影をしているところだという。その近年の作品2006年に撮った写真などが30点ほど、その他にも70点ほどの写真が今回の写真展で見られます。
「バガウラ放牧キャンプのディンカ族/南部スーダン、2006年」
私はただその写真に惹かれ、写真展を訪れました。
その美しい写真がただただ見たいがために。
これは、絵なのか!写真なのか!
モノクロの、抽象画のような静謐の写真。ここまで静かに光景を切り撮ることができるのか・・・
他にも近年の美しい写真が数多くあり、年をとって彼はまた違う哲学の中に入り込んできていることがわかります。
「カオコランド地方オルタンダに暮らすヒンバ族の女性/ナミビア2005年」
「ナイル川の水で満たされたゲル運河の沼地で魚を獲る人々/南部スーダン、2006年」などなどは面白く美しかったですねー。私には。
でも。今回の彼の写真展、展示者の意図はそこにあったのか、と私が気づいたのは入ってすぐ。
この写真展の意図。テーマは「アフリカ」この30年あまりのアフリカの現実、歴史を知ることになる大変に興味深い写真展でした。サルガドは厳しい現実を美しく切り撮る希代のジャーナリストであり写真家だったのですね。
彼の経済学からの視点、彼の哲学のフィルター、彼が掬い取る人の弱さ、彼が切り撮るアフリカの様々な遍歴をひとつひとつ見せてもらいました。
それはすべてがモノクロの世界。
モノクロゆえに語るものは多いです。
ひとつひとつと対話しながらゆっくり見てきました。
すべてがインパクトのある素晴らしい写真でした。
本来なら私は避けて通っていたでしょう写真の数々。報道写真、ジャーナリズム性の高い写真の類いは前述のとおり、あまり見たくない私ですので。
でもしっかり見てしまいました。
展示者の意図にまんまと引っかかってしまいました。

サルガドの写真展の図録とチケット。
ああー、そういう訳だったのです。
ジャズと関係ないですね、今回のサルガド氏のこと。
サルガドの写真からは何の音楽も聴こえてきませんでした。それくらいインパクトの強い写真なのです。それだけでシンプルに美しさが成立しています。
でも写真展を出て歩きながら、やっぱり私が戻って行ったのは「JAZZ」
山手線の中で一人でジャズを聴きながら帰りました。ベースの弦の響きが素晴らしいCharlie HadenとKenny Barronの「Spring Is Here」

コペンハーゲンのブックカフェ
オレンジの照明と静かに時間を過ごす人たちがきれいで
思わず写真を撮ってしまった。
そう、ジャズ!
そうでした、昨日、青山BODY&SOULへ。アムステルダムから帰国中の女性ピアニスト小橋敦子さんを聴いてきました。
ベーシストの井上陽介氏を迎え、Duo。いいですよね。静かに聴くジャズの極みですね。初めて聴く小橋さん。オリジナルも良かったのですが、印象的だったのは、スタンダード。やはり心の中に同じメロディーを共有していることでグンと身近になれます。
ウェイン・ショーターの「Foot Prints」良かったですね。おかげでウェイン・ショーターをじっくり聴いてみたくなりました。それから、何と言っても、彼女の声まで聴こえて来そうな「Cry Me A River」これは、ただただ美しく、そして力強かった。これは男のピアニストでは多分だめだと思うのです。長く人生を見つめてきた女性である彼女ですから弾けるのです。多分、私と同世代。女はいつでも逞しく美しく強いですなー。
写真の持つ力。それは時に凄まじいほどのインパクトで私に迫って来ます。
報道写真がそうです。事故現場の写真。戦争被害の写真。貧困と飢餓の世界。世の中で起きている理不尽な出来事の数々。泣き叫ぶ人たち。それは映像よりも鋭く私の心に突き刺さってきます。
できれば見たくなかった。あまりにダイレクトすぎて私はその写真から目を背けています。それで自己嫌悪に陥ることもあります。
目を背けてはならないだろう?社会の現実を知るべきだろう?と。
でも、もし美しい写真を見せられたとしたら、思わず見入ってしまうでしょう。
惹き付けられて、心はその写真とどこまでも遠い旅をするでしょう。
同時に美しい写真は人の心を癒します。人は根源的に美しいものに惹かれるのです。

コペンハーゲン映像ミュージアムの中にある美しいカフェ
外の景色は学校の校舎、時折学生の姿が見える。
恵比寿の東京都写真美術館で開催中のセバスチャン・サルガドの「アフリカ」という写真展に行ってきました。
サルガドは1944年ブラジル生まれ。現在65歳。
軍事政権下にあった故郷ブラジルを離れ、パリ大学で経済学を学び、その後、ロンドンに本部を置く国際コーヒー機構に就職。そこでアフリカに派遣され、それがきっかけで写真を撮るようになり、写真家に。彼の写真はアフリカが重要な舞台。アフリカは彼にとっては人類の根源的な舞台。その被写体の魅力に取り憑かれ、そしてそれから派生して生み出される彼の作品群。
今回の恵比寿での展示のテーマは「アフリカ」
30年ほどの間サルカドが撮り続けてきた写真の変遷を辿る、という意味でもとても興味深いものでした。
彼は現在「GENESIS」(起源)というテーマで世界各地の自然、動物、先住民族の撮影をしているところだという。その近年の作品2006年に撮った写真などが30点ほど、その他にも70点ほどの写真が今回の写真展で見られます。
「バガウラ放牧キャンプのディンカ族/南部スーダン、2006年」
私はただその写真に惹かれ、写真展を訪れました。
その美しい写真がただただ見たいがために。
これは、絵なのか!写真なのか!
モノクロの、抽象画のような静謐の写真。ここまで静かに光景を切り撮ることができるのか・・・
他にも近年の美しい写真が数多くあり、年をとって彼はまた違う哲学の中に入り込んできていることがわかります。
「カオコランド地方オルタンダに暮らすヒンバ族の女性/ナミビア2005年」
「ナイル川の水で満たされたゲル運河の沼地で魚を獲る人々/南部スーダン、2006年」などなどは面白く美しかったですねー。私には。
でも。今回の彼の写真展、展示者の意図はそこにあったのか、と私が気づいたのは入ってすぐ。
この写真展の意図。テーマは「アフリカ」この30年あまりのアフリカの現実、歴史を知ることになる大変に興味深い写真展でした。サルガドは厳しい現実を美しく切り撮る希代のジャーナリストであり写真家だったのですね。
彼の経済学からの視点、彼の哲学のフィルター、彼が掬い取る人の弱さ、彼が切り撮るアフリカの様々な遍歴をひとつひとつ見せてもらいました。
それはすべてがモノクロの世界。
モノクロゆえに語るものは多いです。
ひとつひとつと対話しながらゆっくり見てきました。
すべてがインパクトのある素晴らしい写真でした。
本来なら私は避けて通っていたでしょう写真の数々。報道写真、ジャーナリズム性の高い写真の類いは前述のとおり、あまり見たくない私ですので。
でもしっかり見てしまいました。
展示者の意図にまんまと引っかかってしまいました。

サルガドの写真展の図録とチケット。
ああー、そういう訳だったのです。
ジャズと関係ないですね、今回のサルガド氏のこと。
サルガドの写真からは何の音楽も聴こえてきませんでした。それくらいインパクトの強い写真なのです。それだけでシンプルに美しさが成立しています。
でも写真展を出て歩きながら、やっぱり私が戻って行ったのは「JAZZ」
山手線の中で一人でジャズを聴きながら帰りました。ベースの弦の響きが素晴らしいCharlie HadenとKenny Barronの「Spring Is Here」

コペンハーゲンのブックカフェ
オレンジの照明と静かに時間を過ごす人たちがきれいで
思わず写真を撮ってしまった。
そう、ジャズ!
そうでした、昨日、青山BODY&SOULへ。アムステルダムから帰国中の女性ピアニスト小橋敦子さんを聴いてきました。
ベーシストの井上陽介氏を迎え、Duo。いいですよね。静かに聴くジャズの極みですね。初めて聴く小橋さん。オリジナルも良かったのですが、印象的だったのは、スタンダード。やはり心の中に同じメロディーを共有していることでグンと身近になれます。
ウェイン・ショーターの「Foot Prints」良かったですね。おかげでウェイン・ショーターをじっくり聴いてみたくなりました。それから、何と言っても、彼女の声まで聴こえて来そうな「Cry Me A River」これは、ただただ美しく、そして力強かった。これは男のピアニストでは多分だめだと思うのです。長く人生を見つめてきた女性である彼女ですから弾けるのです。多分、私と同世代。女はいつでも逞しく美しく強いですなー。

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