夢枕獏公式Blog「酔魚亭」

2011年02月

連載情報『陰陽師 玉手匣』

本日発売のコミック誌「メロディ」2011年4月号に、
岡野玲子 原案/夢枕獏「陰陽師 玉手匣」の連載第2回が掲載されています。

メロディ2011年4月号

『MELODY メロディ』2011年4月号 
発行所:白泉社
2011年12月28日発売
川原泉別冊ふろくつき付
特別定価630円(本体600円)

※『MELODY メロディ』は偶数月28日発売です。

春に降るはジャズの雨  by yy

先週末は、久しぶりに曽我の梅林を見に行ってきました。
暖かだった週末は梅見の観光客で大にぎわいでした。
梅という花は寒さの中で静かに香りを楽しむというほうがいいですが、このそぞろ歩きも何だかいい感じ。
普段来れないような農園を歩き回ることができるという楽しさです。
この時だけは農家の方もウェルカムして下さるし。
農園散歩は楽しい。

そして今日は打って変わっての冷たい雨。風も激しい。
季節は行きつ戻りつしながら動いて行くのですね。

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光の色。春の花束。



昨年Cloudから出したアルバム、『Plastic Moon』が賞をとりました。
先月末に内々にお知らせをいただいていたのですが、それでも私は半信半疑。
「まさか、」という気持ちが先に立ち、できるだけ静かに冷静に自分の仕事を淡々とこなしていました。
ですが、先日雑誌社から賞が発表になった本が送られてきてしみじみと実感が湧いてきました。
ジャズオーディオ・ディスク大賞2010/インストゥルメンタル部門銀賞という賞です。思いがけない本当に嬉しい賞です。

優れたレコーディングエンジニアのBjarne Hansen。
素晴らしい3人のミュージシャン。
まわりでサポートしてくれる才能あふれる人たち。
それからいつも応援して下さる方々。
皆様のおかげです。

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これです!
 ありがとうございました! 

私のレーベルは既存の概念を持った方達から見られると驚く程に小さくてありえないと言われるレーベルです。
ですが、世界に向けて発信していくにはこれで十分な大きさです。

言葉は最小限、いい音源といいデザインがあれば世界に伝わるのだと思っています。
本当に不思議ですが、これは20世紀が生み出した奇跡の音楽「ジャズ」というジャンルの音楽の幅の広さ、懐の深さゆえだと思います。


セピア色の歴史と鮮やかな未来をその容れ物にたっぷりと含んだ豊潤な音楽。
難しい音楽ではありません。余計な蘊蓄なんかいらない。
この音楽は本当に素敵です。

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大好きなTHREE RINGSのプレミアワイン、開けました。
書かれた言葉は、Its Magic 

連載情報「新・餓狼伝」 

双葉社の「小説推理」誌上で「新・餓狼伝」連載中です。

小説推理 2011年4月号 掲載
夢枕獏「新・餓狼伝 巻ノ二 拳神皇帝編 四章 狂拳街 1」 

小説推理2011年4月号

小説推理 2011年4月号
平成23年2月26日発売
発行所:双葉社
特別定価:八八〇円(本体八三八円)

「日々日常2009年夏」第十三回

日々 日常 2009-13-1

 宿の、ぼくの部屋の向かい側の部屋で、
天野さんが絵付けをしています。

日々 日常 2009-13-2

これもいいなあ。

連載情報 小説「大帝の剣」

夢枕獏の伝奇時代小説「大帝の剣」は週刊ファミ通で連載中です。物語は最後の山場を迎えています。

 週刊ファミ通 2011年3月10日・17日合併号に掲載
「大帝の剣 天魔地獄編 十一章 神仏問答 2(承前)」

週刊ファミ通 1160


週刊ファミ通 通巻1160
発売日:2011年2月24日
発行所:エンターブレイン
定価:400円(本体381円)

「日々日常2009年夏」第十二回

日々 日常 2009-12-1

 巻物に描かれた物語。

日々 日常 2009-12-2
日々 日常 2009-12-3

仲麻呂の青龍が、貴妃を背に乗せて、日本へ。

連載情報「十五夜物語」

 夢枕獏×寺田克也のイラスト・ストーリイ「十五夜物語」は、
『SFマガジン』で連載中!

SFマガジン2011年4月号

『SFマガジン』2011年4月号
特集:「ベストSF2010年」上位作家競作
連載:夢枕獏&寺田克也 十五夜物語〈四章 河の王は語る〉 

発行所:早川書房
定価:940円(本体895円)

連載情報「宿神」

夢枕獏の長編時代小説「宿神」は朝日新聞での連載を終え、
現在は朝日新聞社出版の月刊誌『一冊の本』での連載がつづいています。

『一冊の本』2011年3月号には、『宿神』第三十五回【巻の十四】熾火(おきび)が掲載されています。

一冊の本11年3月号


朝日新聞出版『一冊の本』3月号
発行:201年3月1日
発行所:朝日新聞出版
定価:100円(本体95円)

音は新しく作られていく、今日も。  by yy

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ガーシュインのサンプル盤

「12月。ガーシュインに埋没」から3ヶ月あまり。
新しいアルバム『Gershwin. 』がCloudからいよいよ4月にリリースです。

12月に一人「よし出そう」と決め、この数ヶ月はそれを次第に形にしていく道程の中にいました。
出すのを決めるのは一人。ですが、その後の作業はすべて人との駆け引きです。
言葉のなかなか通じない遠いヨーロッパの地が相手。
写真はどれを使おう。遠い国のフォトグラファーとのやりとり。
テキストは正確か。向こうの会社には表記の問題ないか。
肝心のミュージシャンは大丈夫か。
曲順は?そしてタイトルは?
マスタリングはどうすればいいのだろう。
音源は無事日本の工場に届けられるのか。
そしてこちらのディストリビューターは協力してくれるのか。
日本での宣伝は?
それから大切なライナーノーツの原稿は。
そして最も大切なデザインは・・・。

頭の中から得体の知れない何かが次第次第に解放されていき、形になって現れていく過程。
何気なく触れた一音から心が解放されていくショパンの楽曲のよう。
ううむ、この例えは美しすぎるな。私には似合わない。


マグナス・ヨルト新譜のタイトルは『Gershwin.』。
春の光が一番輝き始める季節にこの世に生まれでて来るガーシュイン曲集です。
若いジャズピアニストの気持ちがこれほどに真っすぐに現れたジャズのガーシュイン集は今までになかったのではないかと思います。
作品を貫いているのはシンプルな飾り気のないヨルトのピアノです。
彼は敢えてこういうアプローチにしたのだといいます。
こんなのもありなんですね。初めてその音を聴かされた時、私は本当に驚きました。これでいいのか!
いいんだそうです。いつもはヨルトは変拍子を多用、これでもかとガンガンにその曲想を変えて演奏しますが、今回は全く逆です。
弦楽四重奏団とピアノトリオという構成。
誰も口を挟まない、余計なプロデューサーはなし。
これはすべて若いヨルトのプロデュースです。
そして最終のマスタリングを行ってこれを作品に仕上げたのはデンマークの名工といわれるBjarne Hansenです。ジャケットを飾る写真は素晴らしい写真家Stephen Freiheitの作品。


さてさて今私はそのプロモーションを行っているところです。
昨日、サンプル盤を頼んでいたところから届いたメディアに送るためのCD-Rは、なんとバルクと呼ばれるCD-Rの塊のまま。あああ、これは向こうのミスです。ギリギリで動いている今、このミスは大変に痛いミス。
ですが、あまりに美しいので写真にとってしまいました。


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これがそのバルク



その他にも、レーベルで同時進行中のアルバム制作があります。
これも一年あまりそのままになっていましたが(大切に保存していましたと言う意味ですよ)ようやく始動しました。
先日、マスタリングという作業を日本で初めてやってきました。
ビクターの工場の中にあるKOTETSU'S ROOMという素晴らしい空間の中で延々10時間(!)程の時間をかけてくださりなんとか作業を終えました。
この作業は私にとっては至福の時間でした。
なぜかと言いますと、そのエンジニアのK氏のお仕事場は、アナログレコードのカッティング作業もできる空間。
特別仕様の本当にシンプルなコンソールマシンと特別な電源コードが引かれたそのスタジオ空間は私には夢のような空間でした。そこで音楽とじっくり向き合い10時間あまりの作業。次第に「聴く」という私にとって一番大切な感覚も麻痺してくるのがわかります。ですがK氏はその道30年以上のベテランなので怖いものは何もありませんでした。本当にお世話になりました。


その部屋で、K氏が、ご自分の魂ともいうべきカッティングの機械を死守された経緯のお話をお伺いしているうちに思わず涙が。
レコードのカッティングという古いやり方は今の新しい工場にはいらないからと会社から切り捨てられようとしたのだとか。
そこを死守されたというお話です。
ものを作るということは魂の作業でもあるのですね。
その魂に触れた思いでした。
そんな話をお伺いしながらのマスタリング作業でしたので、素晴らしいマスタリングができたのは言うまでもないです。
深謝。
日本の名工といわれるK氏のマスタリングによる、デンマークの若い才能あるミュージシャンの音源。こちらはジャズというよりロックに近いです。素晴らしい。
こちらもどうぞお楽しみに。


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景色の中のバルク 美しい! オブジェのようだ。













連載情報『明治大帝の密使』

夢枕獏は集英社の月刊小説誌『小説すばる』で、
『明治大帝の密使』を連載しています。

『小説すばる』2011年3月号には
「明治大帝の密使」連載 第18回が掲載されています。
プロフィール

夢枕 獏

作家、1951年1月1日、神奈川県生まれ。 東海大学文学部日本文学科卒。
1977年に作家デビュー。 以後、『キマイラ』『サイコダイバー』『闇狩り師』『餓狼伝』『大帝の剣』『陰陽師』などのシリーズ作品を発表。 1989年『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞、1998年『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞。2011年『大江戸釣客伝』で泉鏡花文学賞と舟橋聖一文学賞を受賞。同作で2012年に吉川英治文学賞を受賞。
漫画化された作品では、『陰陽師』(漫画 岡野玲子)が第5回手塚治虫文化賞、『神々の山嶺』(漫画 谷口ジロー)が2001年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞をそれぞれ受賞。 映画化された作品に『陰陽師』『陰陽師2』(東宝)、『大帝の剣』(東映)などがある。

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