夢枕獏公式Blog「酔魚亭」

2009年10月

連載情報「大江戸釣客伝」

小説現代2009年11月号
夢枕獏「大江戸釣客伝 第二十七回 巻の十五 島流し(承前)」

小説現代09年11月号

 講談社『小説現代』11月号 〈完全犯罪小説 特集〉

推薦文

夢枕獏が、多田乃伸明さんのコミック『70億の針』3巻のオビに推薦文を書いています。

70億の針裏

70億の針表


 多田乃伸明『70億の針』3巻メディアファクトリーMFコミックス
 ISBN978-4-8401-2924-4

「南アフリカ 釣りの旅」第19回

南アフリカ19

 今回のガイドたちと。

「南アフリカ 釣りの旅」第18回

南アフリカ18-1

南アフリカ18-2

 野生動物がたくさんおります。


南アフリカ18-3

 水の上にはスイレンの花。


「南アフリカ 釣りの旅」第17回

 カバの死体が浮いていて、それを、なんとがばりがばりとワニが食っていました。

南アフリカ17-1

南アフリカ17-2

南アフリカ17-3

連載情報「闇狩り師 キマイラ天龍変」

 徳間書店『月刊COMICリュウ』12月号
 夢枕獏×伊藤勢「闇狩り師 キマイラ天龍変」が掲載されています。
 若き日の九十九乱蔵が、台湾で玄道師 猩猩と遭遇。
 いよいよキマイラ対九十九乱蔵の闘い迫る!?


リュウ09年12月号

 徳間書店『月刊COMICリュウ』12月号
 創刊三周年記念BIG企画
 直筆サイン色紙プレゼント&「闇狩り師 キマイラ天龍変」表紙イラスト図書カード プレゼント実施中。

田無で音を聴く

「金田式DCアンプを聴く会」に行って来ました。
私は専門的知識はありませんので全くもってアンプのことを専門的には語れません。あしからずです。

ただお伝えしたかったこと。
今回私がプロデュースした「マグナス・ヨルトトリオのJapanツアーのライブ録音盤」の録音をすべてお任せしたのが、この金田式アンプを聴く会の今回のプレゼンターである五島さんだったということです。
五島昭彦氏。
今回のマグナスのライブ録音を彼は2本だけのマイク録音で録ってくれました。正確に言えば「無指向性超小型DCマイクロホン2本のみによるワンポイント収録」だそうです。
録音方法はシンプルなのに、そのマイクから録られた音は、驚くほど臨場感あふれる豊かな音で再現できるのです。

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 灯りに浮かぶ渦文様
       京都青蓮院の庭にて。


今日(10月17日)の金田式DCマイクロホンを使った録音会。
前衛音楽サックス奏者の岡部春彦氏の出される音。
五島さんのマイクで録ってその場で再現していましたが、素晴らしかったです。音に対して無上の敬意さえ感じられる彼の演奏、それに静かに聴き入る人たち。なんてすごい会場だったのでしょうか。
演奏者の岡部さんも録音の後で感想を語られていましたが、録音された音のシンプルさ故にかえって気づかされることが多いのだとか。
即興で語る彼の演奏は、いつもその場でしかできない一度限りの演奏なので、どうしてもその演奏を残しておきたくなるそうなのです。
今回五島さんのマイクで録った録音を再現して聴いてみて感激したそうです。
あの時自分は何を思ってどういう演奏をしたのかという道筋が手に取るようにわかっていくとか。凄い事です。五島さんはこのことを「音のタイムマシン」と言います。


私も五島さんのマイクロホンで録った「マグナス・ヨルトのJapanツアーのライブ録音盤」を何度も聴かせていただきました。iPodがすり切れる程、聴かせてもらいました。iTunesでカウントされた再生数字は200を越えていました。
それほど聴いても全く飽きないのです。聴く度にありありとその空気感が思い出され、再現されて新しい発見をします。
今年の6月のお茶の水ナルの、松濤サロンの、立川ジェシーでの、あの時の演奏者のやりとりの空気が伝わってきて、聴けば聴く程面白いようにいろいろなことが解ってきます。
ジャズにおいてのこの空気感はとても大切なものだと思います。
五島さんの2本マイクロホン方式で録った音だと、まるでそのライブ会場に自分がいるようです。変に人の手が加わっていないので素材のみの音ということになるのでしょうか。
嘘がつけない録音です。
素材がよければよい程、プレイヤーが素晴らしければ素晴らしい程、この味は絶妙になるということですね。


五島さんは、金田式アンプの開発者である金田氏と衝撃的な出会いをした32年前から、ずっとこのことばかり考えて来たそうです。
それは自然な音を再現したい、それもシンプルな方法で。
何本ものマイクを使わなくてもいい、人間の耳、二つの耳と同じ考え方の2本のマイクです。
人間が持って生まれた2つの耳で聞く本能。昔はそれは生き残るための機能を持つ2つの耳だったけれど、その2つの耳の持つ機能を今は楽しみとして、音を聴く楽しみとしてそのテクニックを再現できたら、ということだそうです。

今朝の7時に完成したばかりという最新式の真空管式の金田式DCアンプを使って、オンケン、アルテックのスピーカーで再現されたその音、素晴らしかったです。
試行に試行を重ねながら、留まらず、進化し続けているんですね。
これはとても大切なことです。私も見習わねばなりません。



五島さんの師匠である金田氏がアンプの開発のことでとても印象的なことをおっしゃっていました。
こうでなくてはならないといった常識を無視して、そういう思い込みを一切取り去って考えた方が面白いのだと。
彼らの自由な発想の下で生まれてきたであろう活き活きとした空気、それが会場の中に漂っていました。
唯一門外の人である私は、メカニックなことは何もわからず置いてきぼり。
でも一人で十分に楽しんでいました。
その会場の中で生み出される新しい音に一人で酔っていました。
バッハの無伴奏チェロ
チャイコフスキー白鳥の湖
デイブ・ブルーベックのトルコ風ロンド
2日前にライブハウスで録音したばかりのバート・シーガートリオの音も。


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 トンネルを出る灯り トンネルから差し込む光。



機械を通じて出て来る音は無機的な音でしかないのですが、不思議なのは温度が感じられたことです。その音を録った人物、再生する人物の「音楽への愛情」というフィルターを通して出て来ると、音というのはこんなにも変わるものなのかと再認識させられました。
それは人のぬくもりのとでも言えばわかりやすいのでしょうか。暖かい温度の感じられる音。
音というは不思議です。目には見えないものなのに無限の可能性を持っています。

素晴らしい空間の中で勉強させていただきました。
多多謝謝。

ちなみにこの素晴らしい金田式DCマイクロホンを使った録音は、来年にCloudからリリース予定のマグナス・ヨルトのライブ盤CDで聴けます。もし興味がおありでしたらぜひお試しください!



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 時間と空間を旅するCloud


「南アフリカ 釣りの旅」第16回

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 船でゆくうちに、陽が昇ってきます。



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 このあと、たちまち暑くなってゆきます。


「南アフリカ 釣りの旅」第15回

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 朝は、いつもこのサファリ車で船着き場まで。


南アフリカ15-2

 乗っている船は、こんな感じのものです。

宮崎で落語を聞く

宮崎で落語を聞いてきました。
お天気のいい秋の連休の2日間。宮崎市内の4会場で落語漬けです。
私は3つの会のみでしたが、聞いてきました。宮崎での怒濤の落語に、今でも頭の中が落語で一杯です。
春風亭昇太、三遊亭歌之介、林家たい平、柳家喬太郎、林家正蔵、柳亭市馬、立川談春、三遊亭白鳥、三遊亭小遊三、三遊亭楽太郎、、
すごいでしょう?このすごい面々の落語を2日間で目一杯聞いて来ました。


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 落語会の行われていた会場の前のバス停、
       懐かしいなつかしい宮崎交通のバス停。


落語の間を縫って、車で南の方へ探検にも出掛けて来ました。
素晴らしい川と海と山。10月の穏やかなお天気の海辺は連休だというのに人も少なくのんびりするには最高です。
特に清武川の河口。
お天気のいい河口の広々とした空間がいいのです。川沿いにもゆっくり歩いて来ました。
この河口の何がいいのか分かりませんが、何か時間がゆったりと流れていくその感じは河口独特のものかもしれません。
河口ではヒラメも釣れましたし、清武川、いい川には違いありません。
昔、子供の頃、タンポリと呼んでいた大淀川の河口で一日中ボートにゆられての釣りに連れて行ってもらっていたことを思い出しました。本当に幸せなゆったりとした時間がそこにありました。


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 これは青島より車で20分程南に下った富土。
         その富土川の河口、小さな魚の群れ。


私は宮崎で生まれ、育ったので、何がどこにあるのか大体分かっているはずなのに、この何年かの間の道路の開通、新しい街ができていたりで、まるで浦島太郎状態でした。
母の大好きだった白いバラを買ってお墓参りも済ませ、宮崎地鶏も宮崎ラーメンも食べ、宮崎での儀式はすべて済ませて帰って来ました。

ただただ心残りは、ギョロっけの本物に巡り会えなかった事。
ギョロっけって言っても何のことだかわからないでしょう?
ギョロっけって、魚で出来たコロッケだからギョロっけです。薄く魚のすり身が小判型にのばしてあって、それにコロッケのような衣を付けて唐辛子でスパイシーに味付けして揚げたものです。
日南海岸、堀切峠の道の駅でめくり合えて「やったー」と、ベンチに座って食べましたが、ううううーっ味がなんだか違う。
中身が魚のすり身というよりまるで、カマボコのようでした。
そうではないんです。本物は。
本物は鯵とか鰯のすり身だと思います。

可笑しかったのは、噺家の春風亭昇太師匠と空港でそのギョロっけの話をした時、昇太師匠がギョロっけを知っていたこと!
何で、知ってるんですか?昇太さん。
昇太さんは静岡県の清水の出身ですよね。
宮崎の人にもそれほど有名ではないギョロっけなのに。
清水にもあったのでしょうか。

昇太さんの目線って時々びっくりするくらいおかしなところを向いている時があります。それに優しい、それでいて辛辣な目線。
それが彼の落語の本質にもつながっていくのだと思います。
昇太さんの落語。
「春風亭昇太の落語」は誰にもできない彼の落語です。
古典をやっても新作をやっても誰々風ではなく「春風亭昇太の落語」です。これはすごいことです。他の人と比べようもありません。
彼が消化した彼の昇華の形です。
今回、宮崎でもその本随を見せてもらいました。
ううーー、やっぱりすごいな。というのが今回の感想です。

楽しませてもらいました。本当に。
たくさんの噺家、いろいろ聞き応えありました。
宮崎、わざわざ飛んで行って良かったです。



落語も少しジャズと似ています。
落語において古典と言われている噺が、ジャズのスタンダードのようなものです。
林家たい平さんが言っていましたが、彼は300くらいの噺(古典)ができるそうです。
私が今回デンマークから呼んだ26歳のジャズピアニスト、マグナス・ヨルトも300くらいのスタンダードができるそうです。
同じ300でも、噺と曲とはまた違うかもしれませんが。
そんな風に古典、基本を大事にして、とことん覚えこんでいく言わば職人の伝統を大切にする彼らの姿勢は素晴らしいと思うのです。


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 昇太師匠、獏先生と入った宮崎のバー、
      とても居心地のいいバーでした。
      パティ・ページのLPが置いてありました。
      すかさずテネシーワルツをかけてもらいましたが・・・
      優しい美人の二代目ママと素敵なバーテンダー。


  
プロフィール

夢枕 獏

作家、1951年1月1日、神奈川県生まれ。 東海大学文学部日本文学科卒。
1977年に作家デビュー。 以後、『キマイラ』『サイコダイバー』『闇狩り師』『餓狼伝』『大帝の剣』『陰陽師』などのシリーズ作品を発表。 1989年『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞、1998年『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞。2011年『大江戸釣客伝』で泉鏡花文学賞と舟橋聖一文学賞を受賞。同作で2012年に吉川英治文学賞を受賞。
漫画化された作品では、『陰陽師』(漫画 岡野玲子)が第5回手塚治虫文化賞、『神々の山嶺』(漫画 谷口ジロー)が2001年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞をそれぞれ受賞。 映画化された作品に『陰陽師』『陰陽師2』(東宝)、『大帝の剣』(東映)などがある。

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