2009年09月

2009年09月11日11:25

カテゴリ: SLOW BOAT TO CLOUD・<限定的JAZZ情報 >

ヒルティの『眠れぬ夜のために』を思い出す夜

鼠の文献を調べる我が家の猫博士　あれ？寝てていいんですか？
　

勉強をしているんです。
考古学とか民俗学とかいった勉強ならもっともっと楽しいはずなのに、よりによって時事英語。
私の趣味ですか？はい、ちょっと時事英語を、と言ってみたくて。
冗談です。
もう２０年近く続けている英語のプライベートレッスン。ガチガチの頭をほぐす作業として私の場合これはとてもいい時間です。
それで時々先生が何を血迷ったか宿題を出すんです。
「勘弁してー」と私。「だめだめ日本の政治について語ろう、次回」とイギリス人に言われ、しぶしぶ英字新聞、BBC放送をダウンロードして考えをまとめることに。もともと政治を専門用語で語る資質もなく絶望的な私の勉強です。物覚えも悪くて何度も同じ場所を行ったり来たりです。

そういうわけで、ある夜のこと。
その英語の勉強をしていて眠くて眠くて、つい薬を飲んでしまいました。薬？危ないなあ。
薬。眠気止め薬、その名も「トメルミン」
すごいネーミングです。でも、もともと試験勉強的勉強が苦手な私、全く効かず、すぐに睡魔が襲って来ました。
それで勉強も放り投げ、寝た訳ですが。
なぜか。
真夜中になって目が覚めてしまい、暗闇の中で急に目が冴える始末。
これは、トメルミンが効いたってこと？
トメルミンが「止めた眠」ってことでしょうか？

何ヶ月か前、ジャズライブツアーのことでアイディアが次から次に浮かんで来て脳は興奮状態。ずっと眠れず、連夜、１、２時間の連続睡眠しかとれず大変だった覚えがあります。スワ、その再来かと身構えてしまいました。
が、今回は多分寝る前に飲んだ薬「止める眠」のせいでしょう。

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アフリカの部屋を照らす夜のやさしいランプ

眠れぬ、眠れぬ。

そうしていると不思議です、いつのまにか外から聴こえてくる虫の音に知らない間に引き込まれていました。
暗闇にひとつひとつの虫の音が浮かび上がって私の耳に心地よく届いてきます。

２分音符、４分音符、８分音符、１６分音符。
一つが終わって次が鳴き始めて、次にまた入って来るものありで、素晴らしい演奏です。
驚きました。まるでアンサンブルです。
ドキドキして興奮して目はますます冴えるばかり。

青松虫
綴刺蟋蟀
邯鄲
鉦叩

アオマツムシ、ツヅレサセコオロギ、カンタン、カネタタキ。
いつまでこの虫たちは鳴き続けているのだろうと考えながら、何時間くらい聴いていたのでしょうか。明るくなるころには私もいつのまにか眠りの世界に入っていました。

初めて虫の音が音符となって聴こえてきた夜。
ヒルティの『眠れぬ夜のために』を読んだ遠い遠い昔を少し思い出していました。
もうどんな内容だったかも忘れてしまったくらい遠い昔。
あの落ちこぼれの受験生だった頃は、難しい本を読むことで自分をなぐさめて、そんな本が同級生にも知られず積み上がって行くことこそが密やかな開放感。自分に自信のかけらもなかった頃。
10代のあの頃はいつも自分に「何をやっているんだろ」って腹立たしく思いながら、鬱々と過ごしていました。

なんだか懐かしい、ページをめくればすぐそこにあの時の自分がいるようです。成長して遙かなところに来たのか、そうでなく精神状態はもしかして同じままなのか。
虫の音に驚いた夜、思いがめぐりめぐり、私の心は虫の音と同じ五線譜の上にいつのまにかいました。
眠れないのになぜか気持ちのいい、虫の音に酔う夜。

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TOKYO JAZZ2009にて　主のいない楽器たち　
　　ステージの上に置かれたままの楽器は美しいといつも思います。

Bert Seager の What Started As Fun

多分この情景は敢えて言うのなら夜の明ける秋の寝覚めのころでしょう。
ひとつひとつの風景が浮かんできます。澄んだ空気の静かな山の中、鉱石の森。
漆黒から群青へ、群青から水晶の光に陽の光が届いて緑が輝きはじめるまでの時間が見えてくるようです。

池長一美のドラムスは、私のジャズのドラムスに対する認識を１８０度変えた音です。
虫の音から連想されるジャズ。
彼のシンバルとハイハットが自由自在に音を変えるこの曲しか思いつかなくて。
というわけで、またまた池長一美ですみません。

ちなみにこの素敵なタイトルは、意外とアイロニカルに米国では使われるそうです。まーそういうことです。

タグ：: 虫の音

2009年09月10日12:06

カテゴリ: 夢枕獏　写真日記

「忘竿翁日記　その二」第9回

　ちゅら海水族館へ。
　この背後の水槽の中で、マンタとジンベエザメが泳いでいる姿は、壮観でした。

タグ：: 夢枕獏; 沖縄; ちゅら海水族館

suigyotei

2009年09月10日12:02

カテゴリ: SLOW BOAT TO CLOUD・<限定的JAZZ情報 >

Just The Way You Are 愛しの鰯さま　

鰯の旬は秋です。

港の防波堤に行けば、銀色の鱗を光らせて泳ぐ鰯の群れにも遭遇することができます。
タイミングよければ浮子釣りで面白いようにボンボン釣れます。
こういう楽しい夢のような釣り、子供にも教えてあげたいです。大きな海が釣り堀状態です。
小さな子供にとってのこの宝のような夢の釣り、遊び場の少なくなった都会のすぐ近くの、意外と身近な場所でできるのです、今も。
これも大衆魚である鰯のおかげです。

鰯はとても身近で簡単な魚。
いつも行く魚屋では一山いくらで売られている鰯に、ついよろよろとなってしまう私。
安いからってこんなに買ってどうするんだよーという惨めな後悔のほとんどない魚です。
本当に安い時にしか買わないし、さばくのも簡単だし、それにいくらでも料理法があるので、後悔する暇もなく大活躍です。

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旬の鰯と旬の生落花生。　
　　生落花生はゆでておつまみに。鰯は、左はお刺身用に　右は生姜とシソの香りで保存。

マイワシが一山２５０円。それを今日は二山。
鰯を買う作業はなぜか身体にいいのです、私の場合。
料理を考えることが楽しいし、新しい鰯は何と言ってもとてもきれいです。
まず刺身でとは誰でも考えますが、私は絶対「鰯の胡麻ダレ」
それからシンプルな「鰯の天ぷら」これはシチリアの塩をつけてレモンを絞っていただきます。
変則技も「オリーブオイルで焼く鰯のシソ焼き、イタリア風」
最終兵器の「鰯の梅干し煮」これは冷蔵庫で一週間くらい日持ちするので常備食に。
真剣にやればもっともっと出て来ます、我らが鰯料理。

一度、安い鰯で、一般に高い値段で売られているオイルサーディンも作ってみたいのですが、これはどうやって作るんでしょう。ぎゅっと煮て、ぎゅっとオイル漬けにすればいいのか。
多分、ものすごくシンプルな調理法のような気がします。
南イタリアの料理は結構シンプルです。そのシンプルさの中に海と太陽のエネルギーが凝縮されていて、だから私は南イタリア料理が好きなのですが。
南イタリアのオイルサーディンの作り方、ご存知でしたら誰か教えてください。

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私の好きな鰯の胡麻ダレ。
　茗荷、葱、海苔、胡麻、少し甘めの胡麻生姜醤油で。最後に少し胡麻油をかける。

鰯。
平城宮跡から出土した木簡に「伊和志」という表記があるそうです。けっこう古い時代からイワシという呼び名で呼ばれていたんですね。語源は「弱し」と「卑し」説。『言海』の大槻文彦説では「弱し」説です。
平安時代、貴族はこの魚を下魚として、これを食べるのは恥ずかしいことであったとか。
鰯を食べること。
現代において私たちには別に恥ずかしいことでも何でもなく、むしろ身体にいいことの代名詞になるくらい青魚の効用は言われ、大切にされてきていますが、確かにおもてなしの魚ではありませんよね。
家にいらしたお客様に美味しいからってあまり出せない雰囲気の魚でもあります。
確かに銀座のお鮨屋で「お客さん、いい鰯が入っていますよ。沢山食べて行ってくださいね」と言われて鰯ばかり出されても普通の人はあまり嬉しくないかも。

でも鰯さま、私は好きですねん。鮨屋でもまずコハダで始まりコハダで終わる私。
（もちろんコハダはイワシではありません。でも私的には少し似てます）この私のラブコール、届いてますか。

「いかようにも調理してさしあげます。私に任せて、あなたの身体」と歌いながら、いい男ではなくいい鰯に私が差し上げる熱いあついラブコール。

ということで、今日も楽しい夕餉のためにジャズを聴きながら台所に立つ私です。
イワシにあうワイン、ではなく鰯料理に合うジャズはなんでしょう。

鰯に合うジャズなんかないですよ、なんて言わないで私にイワシてくださいよ。
ううう、苦しい。思わず、鰯が不味くなりそうなシャレを言ってしまいました。

デンマークのピアニストHenrik Gunde のJust the Way You Are
これはグンデが、エロール・ガーナーだったらこう弾いたに違いないという弾き方で味付けした楽しいジャズです。
まさにスィングしているビリー・ジョエルです。
デンマークのSTUNT RECORDSから出ている「GUNDE ON GARNER」の中に入っています。
鰯料理は、家に帰って、南イタリアの安いワインでも飲みながら。
夕餉を囲んで、素顔のままで。

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来客用に花を飾る。　誰も気づいてくれないかもしれないけれど。
　　イタリアンベリー、アルストロメリア、藤袴、三島柴胡で。

タグ：: 鰯; イワシ; 花を飾る

2009年09月09日18:37

カテゴリ: 夢枕獏　写真日記

「忘竿翁日記　その二」第8回

　ホテルの前の海岸で。

タグ：: 夢枕獏; 沖縄; 海岸

suigyotei

2009年09月08日12:23

カテゴリ: 夢枕獏　写真日記

「忘竿翁日記　その二」第7回

　外は、こんな感じです。
　一月ですが、気温二十三度とあたたかい日でした。

タグ：: 夢枕獏; 沖縄; 海岸

suigyotei

2009年09月08日12:18

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９月の宵は更けゆく月待ちの月　

涼やかな風が吹き、夕方の森には蜩が鳴き、雑草はいつのまにか穂の草に変わっていき、ウールの洋服が少し恋しくなり、秋の月を見ることが楽しみになる９月。

とうとうそんな季節がやってきましたね。
音楽で言えば、無性に弦の響きが恋しくなります、９月。

日本は同じ土地にいながらにして旅ができる素晴らしい国です。一年をかけての旅、四季を旅する旅です。森と水の国に住んでいることを実感できる旅。
秋になると私は特にそういう想いにかられます。
山から色が降りてきて、庭の木が色を変え、冬が始まる。
私たちはその、時の移り変わりを旅していく旅人なのだと。

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TUBEREUSE 40 に浮かぶ月

今年の中秋の名月は１０月３日だそうです。
旧暦の８月１５日。昔は月が暦の代わりだったので、十五夜の月です。
私の十五夜はthe芋名月です。きぬかつぎを山ほどゆでて塩で食べたり、お醤油で食べたり。
それに合わせてお酒も飲みます。これは私が九州にいた昔からなぜか満月のお楽しみでした。ススキを飾って月を愛でる儀式。

獏先生の『陰陽師』の中にも月を愛でるシーンはたくさん出てきます。
どうして月にお酒はつきものなんでしょうか。
また！意味分からんシャレのようなことを言っているのは私だけですね。
失礼しました。

想像ですが、安倍晴明の持つ杯の中にはいつも月が浮かんでいるような気がします。
晴明のアイコン（icon）ですね、多分。彼の心の形です。月の形。
違いますか？先生。

月が、濃い影を縁に落としている。
軒から見あげれば、夜の空には数片の雲が動くばかりで、冴え冴えとした青い満月が、天に露わである。澄んだ秋の大気が、夜の庭を満たしていた。
「なんとも言えぬ月だなあ、晴明よ」
しみじみとつぶやいたのは、源博雅である。

これは『陰陽師・飛天ノ巻』の中の珠玉の短編「露と答えて」の出だしの文章。
美しい恐ろしい話なのだけれど、それだけではない深くて少し遠い物語。
筋を知っていらっしゃる方、この意味わかりますよね。
私はこの短編集、好きです。
この中の「陀羅尼仙」も大好きな話。深くて美しい話です。
秋の初めの儀式として、露のようなお酒でも飲みながら読むとしますか。
月を浮かべて。

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コペンハーゲンジャズフェスでのハービー・マン　　Gorm Valentine撮影

音楽は何を？
もちろん博雅の吹く葉双を。
は、ちょっと無理ですので、私の好きなジャズを。

Petter Eldh の The Pattern Maker

マグナス・ヨルトのピアノとペーター・エルドのベースが素晴らしい。
ペーターのベースは哲学者の歩みを思わせると獏先生に言わしめました。
月の光の届く庭を歩く哲学者のイメージなのでしょうか。

Magnus Hjorth Trio の「LOCO MOTIF」の中に入っている曲です。

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上町６３で　　右端がペーター・エルド

2009年09月07日14:05

カテゴリ: 夢枕獏　写真日記

「忘竿翁日記　その二」第6回

　授業のあと、某ホテルへ。
　海から直接円筒形の建物を建てて、天然の水族館にしてしまったものが、
ホテルの施設にありました。窓があって、海中を眺めることができます。
魚がたくさんいましたが、餌づけをしているのでしょう。

タグ：: 夢枕獏; 沖縄; 水族館

suigyotei

2009年09月07日12:16

カテゴリ: SLOW BOAT TO CLOUD・<限定的JAZZ情報 >

「材料のプレゼン」がやって来た！Yah Yah Yah

東京JAZZ2009に行って来ました。
楽しかったです。あちこちにジャズが溢れていて、それも私の好きな欧州のミュージシャンがたくさんいて、まるで海外のジャズフェスのような雰囲気でした。
もちろんオープンスペースは無料なので聴き放題です。
ジャズ好きに、これ程の最高のプレゼントはありません。
主催されたイベント団体の方たちに感謝です。強力なスポンサーといい企画がそろったイベントでした。
私のライブはこのイベントの対極のはずれにあるような極小イベントですが、とても参考になりました。

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お昼間の、欅の葉の間に浮かぶジャズ風船

いつもは一人で聴きに行くジャズですが、今回は同じジャズ好きの友人も一緒でした。
ま、それぞれ好みは違うので、お互いに考えを押し付けないようにしてます。
そんなジャズ友です。
ジャズの話にまみれ、お昼間からビールを飲みながらの無料のジャズ、最高です。

その友人と一緒にお昼を食べたレストランでの出来事。
友人は京都産真鯛のポワレを注文。
私は阿波尾鶏のソテーを注文。
注文後少し経って、ウエイトレスがうやうやしく京都産の真鯛を一匹まるごと押し頂き持って来て「これを今から調理させていただきますので」
「すごーい。これ一匹全部だ」と無邪気に喜ぶ私たち。
もちろん冗談です。一匹いただけるとは誰も思っていません。１０００円そこらの料金で。
３キロはあるかというものすごく大きい真鯛でした。
ウエイトレスも苦笑いしてましたが、みんな冗談ににこにこ。
ここまではいいんです。
その真鯛のプレゼンの後、ふと考えたら私の注文した阿波尾鶏が急に心配になってきました。
「これを今から調理させていただきますので」と阿波尾鶏さまが羽をばたつかせてウエイトレスに連れられて出てきたら。
なーんてことは１００％ないですが、まるごと鶏が、「これを今から」とウエイトレスに押し頂かれ出てきたらどうしよう。
そう考えるとウエイターやウエイトレスが近づく度に、飲んでいた飲み物もノドを通らない始末。情けないけど本当の話。
牛や豚ならもちろんそんなことは考えないのですが、鶏という中途半端な大きさからして、十分にあり得ることです。
よくあるんです。海外のレストランでは・・・。材料のプレゼン。

なぜ私がこんなに鶏の丸ごとに対して今、アレルギーがあるかというと、理由があるのです。
話せば長い話ながら・・・
薮のような我が家の庭、コジュケイなどの山鳥がやってきて人間は隅っこで暮らさせていただいている、まさに動物楽園状態です。
その動物王国、我が家の庭での話です。
庭には山鳩も巣を作っていてよくヒナが孵るのですが、先日そのかわいいヒナをねらって長虫さまが。
私の死ぬ程きらいな長虫さまがヒナをお食事されている瞬間に出会ってしまったのです。
見たことありますか？そのシーン。
思い出すのも気絶しそうになるくらい超絶ドキュメントでした。
ううううー。しっかり見続けた私も私ですが、それからトラウマです。
鶏さまの絶命されたお体、あの目を閉じた安らかな顔、それからきちんと閉じられ伸びた素直な足・・・

という訳で、そのレストランで私が飲み物もノドを通らなかったのをわかってくださいますよね。
でも、そんな私の心配も無事クリア、鶏のプレゼンは無く、美味しそうな阿波尾鶏のソテーがお皿にきれいにのせられてでてきました。
ゲンキンな私。今までのおぞましい記憶はすっかり忘れ、パリパリの皮にうっすらと焦げ目がついた鶏を幸せな気分でいただかせていただきました。

安くて美味しいまたぜひ行きたいレストランです。
鶏のプレゼン無しというのもわかったし。

以上、私のジャズの間のレストラン顛末記でした。失礼しました。

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夜の野外ジャズ　バックステージから見るジャズはきれいです

で、やっぱり戻るのはジャズの話。
「これを今から」とプレゼンされて嬉しいジャズ。
そうですねー、例えば、晴れた日の空気のきれいな夕暮れ。
場面はシーズンの終わった誰もいなくなった浜辺。
海辺に落ちている、夏の落とし物のような空き缶や流木を集めてきて、ジャズ演奏家のプレゼンテーション。
「これを今から、あなたのために」と聴かせてくれる、一篇の詩のようなジャズでしょうか。
主旋律はギターか三線で。
あくまでも静かに語りかけるような音で。
繰り返す波の音をバックに、そんなアンサンブルを聴かされたら、心はイチコロですね。
何？海辺の音響は最悪だって？そんなことはどうでもいいんです。
要はシチュエーションですよ。んー、もうわかってないなあ。

KJB 「Bolivia」は一篇の詩のようなジャズ。
池長一美の、さりげなく語りかける多彩な音は、晩夏の夕暮れの街で遠くの波を感じているような、そんな気持ちよさにさせてくれます。

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夕方の瀬戸内海　旅の終わりのフェリーの上から

タグ：: 東京JAZZ2009

2009年09月04日17:39

カテゴリ: 夢枕獏　関連情報; 夢枕獏　小説関連

闇狩り師　再始動

『SFJ』2009AUTUMNに「闇狩り師　摩多羅神」（旧タイトル　宿神）が掲載されています。
コミック「闇狩り師　キマイラ天龍変」の伊藤勢さんによる書き下ろし「闇狩り師～を描くことになってしまったのです」も掲載。

「闇狩り師　摩多羅神」は徳間書店の『SFアドベンチャー』誌に「宿神」のタイトルで連載（1990年1月号～7月号）されて中断していた作品を、改題の上、加筆訂正したものです。

SFJ09年秋号

誌名：『SFJ』2009AUTUMN
発行所：徳間書店
定価：本体1700円＋税
ISBN978-4-19-862778-2

タグ：: 夢枕獏; 闇狩り師; キマイラ; 徳間書店; COMICリュウ

2009年09月04日17:37

カテゴリ: 夢枕獏　関連情報

連載情報「愚か者の杖」

　発売中の『食楽』10月号に夢枕獏の釣魚漫遊「愚か者の杖」連載第41回・奥利根湖編が掲載されています。
文：夢枕獏・写真：佐藤秀明

誌名：『食楽』2009年10月号
発行所：徳間書店
特別定価：820円（本体781円）

タグ：: 夢枕獏; 徳間書店; 食楽; 愚か者の杖

プロフィール

夢枕獏

作家、1951年1月1日、神奈川県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒。
1977年に作家デビュー。以後、『キマイラ』『サイコダイバー』『闇狩り師』『餓狼伝』『大帝の剣』『陰陽師』などのシリーズ作品を発表。 1989年『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞、1998年『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞。2011年『大江戸釣客伝』で泉鏡花文学賞と舟橋聖一文学賞を受賞。同作で2012年に吉川英治文学賞を受賞。
漫画化された作品では、『陰陽師』（漫画　岡野玲子）が第5回手塚治虫文化賞、『神々の山嶺』（漫画　谷口ジロー）が2001年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞をそれぞれ受賞。映画化された作品に『陰陽師』『陰陽師2』（東宝）、『大帝の剣』（東映）などがある。

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