夢枕獏公式Blog「酔魚亭」

2009年09月

「南アフリカ 釣りの旅」第04回

 宿からは、湖が一望できる。

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「南アフリカ 釣りの旅」第03回

 今回も、ダイワのリールにお世話になりました。

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 いたるところに野性のインパラが顔を出す。

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夢枕獏写真日記「南アフリカ 釣りの旅」について

 夢枕獏写真日記「南アフリカ 釣りの旅」は、2007年4月から6月にかけて会員制HP蓬莱宮内で公開したものです。

 ブログ酔魚亭での公開にあたり再編集してあります。

 最新の夢枕獏写真日記は、会員制HP蓬莱宮をご覧下さい。

                   夢枕獏事務所

「南アフリカ 釣りの旅」第02回

 狙うは、タイガーフィッシュ。
 巨大な板に、エンジンと屋根をつけたような、サファリ船で出発。
 なんとも美しいダム湖である。
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「一蝶リターンズ」とBert Seager の Bunny Dune 

英一蝶の「一蝶リターンズ」と名付けられた展覧会に行って来ました。
板橋区立美術館。
私には生まれて初めての板橋区入区です。
初めての土地。歩いてきました。
また行きたいけれど、私の住む土地からは遠すぎます。それに美術館まで駅から歩いて30分近くかかりました。はっきり言って不便な場所にある美術館です。うーーん、遠いぞ。さすが英一蝶、絶対に東博(東京国立博物館)なんかじゃない。
この、一蝶までの辛抱の道。
転んでもタダでは起きない私の性格。途中で美味しいものをたくさんみつけました。
美術館近くの蕎麦屋の鴨汁せいろ。
途中のお菓子屋で買ったどら焼き。
途中の喫茶店で飲んだミックスジュースも涙がでるほど懐かしい味。
あああ、例によって食い物で気を奮い立たせ、食べ物でなぐさめつつ、歩きました。歩きました。


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 美術館のエントランスの様子。


さてさて一蝶さん。
江戸時代、元禄の頃を生きた絵師、英一蝶Hanabusa Ichyo(1652〜1724)
軽妙洒脱、一蝶さんの手にかかると不動明王も普通の人に変わります。
一蝶独自のフィルターを通して瞬間が切り取られ、1枚の絵になります。活き活きと描かれ踊りだすような絵が多いのです。

英一蝶の絵の中では元禄の美女が晒を手に持って舞う瞬間を描いた「布晒舞図」が有名ですが、今回の展覧会では「四季日待図」(25日以降の展示)が、私的には一番印象的でした。
「四季日待図」日待ちという江戸時代の行事を描いた図です。
描かれた一人一人をずっと見入っていたいほど、私の知らない江戸の日待ちの様子が描き込まれた図は美しく楽しくかろやか。一蝶ならではの活き活きとした感覚が絵の中で踊っていました。驚いたのは、この絵が描かれたのは、一蝶が三宅島に流罪になっていた時だということ。江戸でではなく、華やかさの欠片もなかっただろう淋しい島の中で江戸を思い出しながら描いたということ。
一蝶さん、侘しい島の暮らしの中でも江戸の夢を見続ける夢おじさんだったんですね。その絵筆の持つ強さには鋭く力強い感性が込められています。いい感じです、一蝶さん。


ちなみに私がこの絵の中で一番好きな人物は、遊びに夢中な美男美女、普通のおじさん、無邪気な子供などなどの人々の中で、ただ一人ポツネンと奥の間で真面目に加持祈祷を行う修験者です。
気の多い私の注目を一身に集め、彼は強烈な個性を放っています。真面目すぎます。この人。
修験者だから日待ちのお仕事、当たり前なのですが、でももしかして一蝶さんのことだから何か暗喩をこめてるのかもしれません。


ああ、楽しかったです。板橋区立美術館への旅。
それに美術館の観賞の後、感想を語り合いながら飲んだビールの味も忘れられません。


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 これが美術館近くの蕎麦屋ひびき庵の鴨せいろ
     思わず写真を撮って保存、味まで保存したいところ。


Bert Seager の Bunny Dune
この曲はバート・シーガーの曲の中で私が最も好きな軽やかな曲です。
バート・シーガーの別な一面、funが出ています。バート・シーガーと英一蝶はあたりまえですがほとんどつながりません。でも、バートも一蝶も私の中では「fun」の一文字でつながっています。
「洒落っ気」の意味の「fun」です。
これはキビシい人生を生き抜くためには、私にはとても大切なエッセンス。
この私の好きな「fun」がまるで天から降りて来たリボンのようにこの二人を彩っているのです。
Bunny Dune  池長一美のプロパルシブなブラシがどこまでも心地よいこの曲。
一蝶さんの洒落っ気のある絵を見ていたらこのBunny Duneという曲を思い出しました。楽しくて軽やかで、どこか少し悲しげでもあります。

さて、そのボストン在住ジャズピアニスト、バート・シーガー氏の来日です。
池長一美とジョン・ロックウッドとボストンでKJBというトリオを組んで15年あまり。
実を言うと私は今回、彼のライブを初めて聴く事になります。
ものすごく楽しみにしています。
多分客席で、口をポカンと開けてるか、どうしようもなくニコニコしているのが私だと思います。はい。


ーーーバート・シーガー・トリオ JAPAN TOUR 2009 ーーー

10/8 (木)京都ル・クラブ・ジャズ 075-211-5800
10/9 (金)京都雑草の森プレイスクール 0774-63-0951
10/10 (土)京都宮津市 いーポート世屋 しおぎり荘 0772-27-0795
問い合わせ先 0772-27-1471
10/11 (日)19:00~ 兵庫県豊岡市 豊岡市民プラザ  0796-24-3000
問い合わせ先 田中音友堂八鹿支店 0796-62-2967
10/14 (水)渋谷JZ BRAT (セルリアンタワー東急ホテル)03-5728-0168
10/15 (木)立川ジェシージェイムス 042-525-7188
10/16 (金)吉祥寺サムタイム 0422-21-6336
10/17 (土)18:30~ 茅ヶ崎ハスキーズ・ギャラリー 0467-88-1811
10/18 (日)18:00~ 関内 上町63 045-662-7322

出演 バート・シーガー(Pf )
   吉野弘志 (Bass)
   マーク・トゥーリアン(Bass) 10/18のみ
   藤井美智(Tp ) 10/8, 9, 10, 11のみ
   池長一美(Ds ) 


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 京都の大山崎山荘美術館の庭にいるBunny
    一人でずっとこのポーズでがんばっている、健気なヤツ
      また会いに行ってあげるからね。




「南アフリカ 釣りの旅」第01回

 今回、『食楽』の仕事で出かけて行ったのは南アフリカだ。メンバーは、いつもと同じ。佐藤さん、吉川さん、平野さん、室井さん、ぼくである。

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 最初に行ったのが、セントペテルブルクから車で五時間ほど行ったダム湖である。ロッジまでは、サファリ用の車でゆく。
 ロッジに着くまでに、イボイノシシ、インパラ、ヌーなど、野性の動物をたくさん見た。

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まっさらな心で芸術を見る

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 大磯の「海の見えるホール」 
   楽器の向こうに大きな樹、それから遠くに海が見えます。


秋の深まって行く9月。
銀座の歌舞伎座も来年建て替えられる予定なので、今の歌舞伎座の建物は今年度限り。
さよなら公演と名付けられたきらびやかな演目が目白押しです。
先日、ジャズミュージシャンと歌舞伎を観賞して来ました。


歌舞伎は日本文化の一番派手なところに位置している芸術だと思います。
人気役者、舞台、日本の文化をごっそり飲み込むような歴史上の登場人物に脚本、衣装、音楽。
そのすべてがモノクロではなくカラフル世界です。
江戸時代からいろいろな芸能文化を飲み込んで消化し続けてきた歌舞伎。
これでもか、これでもかのJapanese世界。


目で見てもわかり易いので、海外から来る外国人をまず案内したくなる劇場です。
私も今までに何人かの外国人を連れて行きました。
もう20年程前でしょうか、イギリス人と歌舞伎を見に行きました。
ふと気づいたら、隣からなんだか泣いているような声。私の横で目にいっぱい涙をためてイギリス娘ヘレンが泣いていました。あまりに美しくて感激して、思わずこみ上げてきたそうです。
わかります、わかります、歌舞伎座は外国人にとってのインクレディブル異空間なんです。


そういう訳で、私、今回、ジャズのアーティストを私の本領発揮だとばかりに歌舞伎座に案内してきました。


歌舞伎座の9月の演目は「勧進帳」に「松竹梅湯島掛額」
この二つの演目は初心者にもわかり易くて楽しめる、私的には超お薦めの演目です。
この二つが運良く歌舞伎座でかかり、ジャズの畑のかの人をお誘いしました。
いったい、どんな感想が聞けるのか本当に楽しみに。


ジャズのミュージシャンなので音から入って行くのかなと思いきや。
そうではありませんでした。
彼はですね、自分の目線で見たそのエンターテインメントの歴史を自分なりに解釈して感想を述べてくれました。
どーだ!と連れて行ってあげた気分になっていた私の方が、逆に試されているようで姿勢を正さなければならないような、鋭いコメント。
ううむ、参った。参りました。


久しぶりに異分野の人とみる歌舞伎。
ものすごくタメになりました。私の方が、です。


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 猫の見つめる目は真剣だ、この後恐ろしい事が起る。


え?その肝心な、歌舞伎をみてのミュージシャンが言った感想ですか?
それはですね、「勧進帳」の弁慶のあの有名な引っ込みについてです。
その強烈な吸引力に詰め込まれたエキスのごときもののこと。
それから「湯島掛額」の後半、八百屋お七が櫓のお七の人形振りに変わるその演出のこと。
思いがけずその演出のことを質問されて少したじろぐ私です。
「えーっ?あの長さの理由?何でだろう?そう言えばそうだなあ」
意味わからないですね。ま、いいんです。
とにかくその質問に、まるで外国人から質問を受けたような電撃が走り抜けました。


彼は余分な偏見を取除いて、まっさらな目でみてくれたんだと思います。
心をまっさらにしてみることの大切さです。
変に予備知識を入れて見るよりも、何も入っていない心の方が入ってくるものは大きいのだということを再認識させられました。


そうでした。
文化財の前に立って観賞する時は、変な既成概念や予備知識なしで、心をまっさらにして見るのだ。その作者の言いたいことに素直に耳を傾け、作品から浮かび上がってくるものを見つける作業をする。自分のアンテナでキャッチするのだと。


そう、いつも自分に言い聞かせていたはずでした。
思い出しました、とても大切なこと。


最後に。
歌舞伎座の来年の建て替えの事ですが、本当に淋しいことです。
なぜ建て替えなければいけないのか、今でもよくわかりません。
車椅子が入らなければ、入るように作り替えればいいだけのこと。
あれだけの素晴らしい建物をなぜ壊さなくてはならないのか。


ものすごく怒っています。私。
新しい歌舞伎座にはあまり興味はありません。


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 コペンハーゲンの夜に浮かぶ「オペラハウス」
   この建物をこの位置に立てるにあたり、現地でも賛否両論の嵐が・・・ 


連載情報「闇狩り師 キマイラ天龍変」

 月刊COMICリュウ』11月号に夢枕獏×伊藤勢「闇狩り師 キマイラ天龍変」第四話が掲載されています。


 若き日の九十九乱蔵が、台湾で大暴れする「闇狩り師 キマイラ天龍変」は、闇狩り師シリーズとキマイラシリーズのコラボレーション・コミックです!
 
リュウ09年11月号

徳間書店『月刊COMICリュウ』11月号

連載情報「大江戸釣客伝」

小説現代2009年10月号
夢枕獏「大江戸釣客伝 第二十六回 巻の十五 島流し」
つぎつぎと生類憐れみのお触れが出て、釣り好きは...


小説現代09年10月号

講談社『小説現代』10月号 〈短編スポーツ小説 特集〉

「忘竿翁日記 その二」第16回

 取材を終えて、下の海で。

忘竿2
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