夢枕獏公式Blog「酔魚亭」

2009年07月

「台湾道中記」第5回

 夜は、打ち上げで、中華料理をスタッフみんなで食べに行きました。台湾では、編集者はほとんど女性です。スタッフの半分くらいの人が、日本語を話せます。

台湾5-1
台湾5-2

「地球照という言葉」 (ジャズとは関係ない話です)

今朝(7月30日)の朝日新聞の「声」の欄に釘付けになってしまいました。

午前2時過ぎの晴れた夜の夏の空。
新月の前後に見える天体のドラマについて書かれていました。

スバルを見ようとその方は夜の空を眺めていらっしゃったのですが、それよりも東の空に月と金星と火星が一列にならんだことに感動したと。
感動を伝えられないのはつらいと書かれていますが、その美しい表現で充分に伝わって来ました。

「蒼く明け始めた東の空に、月齢27.3の暗い部分が地球の照り返しで光る地球照を抱えた月と、金のしずくがしたたるばかりの金星と、渋い赤茶色をした火星が、絶妙な間合いで一列に並ぶのが目に入った。」

これですよ!
世の人たちが日食に夢中になっている頃、こんな体験をされていた方がいたなんて。冬と秋の夜空の美しさは格別なのは知っていましたが、そうか、夏の明け方の空も美しいドラマが充分に体験できるのですね。忘れていました。すっかり。
この投書を載せた朝日新聞の担当のセンスにも少し脱帽です。
ちなみに投書の主は80歳。いいですねー。
素晴らしい感覚の持ち主の方です。

090730

(写真1 週刊朝日『天海の秘宝』村上豊氏のイラストも素敵です)


それから、付け加えれば、このブログの大元のお屋形、獏先生もそのような時間帯の描写を今発売中の『週刊朝日』に連載中の『天海の秘宝』の中で、偶然ですが、されています。

「明け六ツの鐘がまだ鳴る前だ。空には夥しい数の星がきらめいている。東の空の地平線に近いあたりが、ほんのりと明るくなっているかどうかという時間帯である。」
このシーンは江戸時代の夏。これから始まる物語の謎解きにもつながるワクワクとさせるシーンです。ぜひご一読ください。
『天海の秘宝』素晴らしく面白い展開です。(シャレではありません。)
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(写真2 デンマークの博物館で見た太陽の動き。古代の信仰と結びついている様の説明です。)


「地球照」 地球から反射された太陽光によって、月の欠けた部分が薄く光って見える現象。特に、新月の前後に顕著。(三省堂大辞林より)

最後に私の好きな歌を

    はるかなるもろこしまでもゆく物は秋のねざめのこころなりけり
                             大弐三位

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(写真3 イタリアのアマルフィ海岸の夏の明け方の景色。この写真を撮る前に星が一つ一つ消えて行きました。)

「台湾道中記」第4回

 店内の一画にはには、こんなコーナーがありました。

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「台湾道中記」第3回

 サイン会は、紀伊國屋書店。簡単なトークショーもやったのですが、日本語のトークで、通訳が入る前に、もう笑いがおこっています。ヤオイ、モエ、ボーイズラブ、みんな日本と同様に通じます。

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新刊のお知らせ

陰陽師シリーズ 絵物語
文=夢枕 獏
絵=村上 豊
書名=『陰陽師 首』

目次

陰陽師 首
あとがき 夢枕 獏
あとがき 村上 豊

カバー画=村上 豊
カバーデザイン=中川真吾
発行所=文藝春秋

奥付発行日=2009年8月10日
定価=本体495円+税
ISBN978-4-16-752819-5

・単行本 二〇〇三年十月 文藝春秋 刊
・陰陽師シリーズ 大好評 絵物語第二弾が文庫化されました。

絵物語 首 文庫

「台湾道中記」第2回

 ホテルの前は、すっかりクリスマス気分でした。

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「台湾道中記」第1回

 二〇〇七年の十二月に、台湾へ行ってきました。日本より先に『陰陽師』の新作を台湾の雑誌『INK』で発表したのですが、サイン会をやってしまおうということで、自費で行ってきました。
 台北のホテル、シャングリラの部屋の写真です。チェックインしたら、花がありました。

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「Slow Boat to Cloud <限定的JAZZ情報> ご挨拶」 その1

この度めでたく酔魚亭ブログの1カテゴリーページをお借りすることになりました。
自分のブログの準備も始めておりますが、「とりあえずの間借り」をさせていただくことになりました。
でももしかしてずっとこのまま間借りかもしれませんので、ご挨拶です。

挨拶1-1


phpto:我が家の玄関にイギリスからやって来て、20年間、ぶら下がったままのジェレミーフィッシャー


まずこのタイトル名について少し説明を。

Slow Boat to Cloudを直訳すると「雲へ向うゆっくりとした船」です。
Cloud は、私の屋号のようなもので、私が催すジャズライブの制作集団の名前です。
ライブの都度、集まる「Cloud(雲)」のような個別能力集団で、私以外は大変に有能なスタッフの面々で構成されています。
このスタッフの力がなければ、私はただのぼーっとした霧状態だったかもしれません。
「Slow Boat to~」というのはジャズファンにならお馴染みのタイトルです。

そういう訳で「ゆっくりと自分のペースで、ジャズのCloudへ」という意味を込めて。
(決して、「天国へ向うゆっくりとした船」という意味ではありませんので)

挨拶1-2


phpto:Flight to Denmark,  February 2009  デンマークへ行く2月の旅の窓


ジャズが好きです!
ジャズだけでなく、他にも心惹かれる音楽というものはたくさんあります。

POPSも、ROCKも、Beatlesも、フォークも、ラテンも、映画音楽も。
日本の民謡も演歌も時にはいいなあと思って聴きます。
バッハもプッチーニもチャイコフスキーもサティも好きです。
トルコの演歌も好きですし、トルコの軍楽隊の音楽も。
トルコの地中海沿いの小さな街、そのミナレットから流れてくる夕刻のコーランの響き、これにも心が震えます。
それから、心が広がっていくイタリアのカンツォーネ。
バリのガムランも、ケルト音楽も。
沖縄民謡、台湾の少数民族の音楽、雅楽。
20年程前にシルクロードを旅した時に初めて聴いた弦楽器の音。
タイのムエタイの音楽もきれいで心が動きます。
それに楽しいミュージカルも。
小さな子供の歌う讃美歌も。
東大寺の声明も。
歌舞伎のツケも下座音楽も。大好きな落語の出囃子。
それから、いつも床の前で聴かせていただく浄瑠璃語りの大夫さんの声も太棹の音も。
一旦ハマると節操なく、そればかり聴いています。迷惑だといつも言われています。

でも、やっぱり、次第に増えていった私のCDのジャンル、それはジャズでした。
ジャズの何がこんなに夢中にさせるのでしょう。
恥ずかしい程偏ったジャズしか聴いてこなかったので、人に説明できるほどではありません。
ジャズライブに通い続ける時間もお金もなかったので、「人知れず」ただ好きなジャズだけをこっそり楽しんで来たという感じです。

大学時代は軽音にいてピアノを弾いていました。
間借りしていた4畳半の部屋にピアノを置いて、それで毎日毎日弾いて練習していました。(単に下手だったからですが)
月8000円の部屋に13万円で購入したピアノです。
その頃、自然に同じ軽音のピアノ弾きのジャズの友達とも仲良くなり、その時にジャズの凄さを知りました。
とても太刀打ちできないのです。その頭の良さ、感覚、リズム感、技術。
その時からジャズに対して敬意のようなものが芽生えていきました。
凄い音楽です。

挨拶1-3


phpto:Many CDs on my desk at Copenhagen、机に並べられた戦利品

「Slow Boat to Cloud<限定的ジャズ情報> ご挨拶」その2

今回、私がこのブログのスペースをお借りしてジャズの情報を、というきっかけになったのは3人のミュージシャンです。

挨拶2-1



ピアニストMagnus Hjorth,(マグナス・ヨルト)、ベーシストPetter Eldh(ペーター・エルド)、ドラマーKazumi Ikenaga(池長一美)。
この3人によるセッションは、6月25日〜28日にかけて、横浜、東京で行われました。

今年2月にコペンハーゲンにジャズを聴きに出掛けていったのですが、そこの小さなライブハウスで、偶然にマグナスとペーターの演奏を聴き、その音にすっかり引き込まれてしまいました。
正直に言えば、観客はほんの数人だけ。とても地味なライブでした。

でも、私には「素晴らしい」の一言でした。

挨拶2-2


photo:マグナスのデンマークのトリオ。右端にいるのはスノーレ・カーク、彼ももちろんnice!です。


もっと聴きたい!と私に思わせたものは一体なんだったのでしょう。
そしてそれが今回の来日に繋がったのですが、その時に「マグナスに合わせられるドラムスは池長一美」という強い気持ちがありました。池長一美。マグナスの音楽とは多分違う方向性を持つドラマーなのですが、「彼」でした。彼の長年の経験と技術と柔軟さ、その雰囲気。彼のドラムスだったら、マグナスも日本で安心して弾けるに違いない、と。
フタを開けてみないとわからないという、信じられない博打のようなライブ企画です。


挨拶2-3


photo:成田空港到着ロビー、FINNAIRは到着が遅れています。


マグナスとペーターは、コペンハーゲンから飛行機を乗り継いで、日本の一人のファンでしかない私を信用して来てくれました。
不安ももちろんあったと思います。合わせるドラマーは未だ見ぬ相手ですし、日本人ですし。
でも、彼らは来てくれたのです。
そして、3人は日本で素晴らしい演奏をしてくれました。
それも3人ともすごく演奏を楽しんでいました。つい2、3日前までは会ったこともない3人だったのに、この楽しみ方はいったい何なのだっ。

「Slow Boat to Cloud<限定的ジャズ情報> ご挨拶」 その3

4日間で30曲程のスタンダード、それからマグナスのオリジナルを演奏しました。ライブは1日ごとに変化していき、たっぷりそれを堪能させてもらいました。至福の4日間でした。
彼らは技の見せ合い、それも変則技の見せ合いをして、それにお互いをサポートしあって、楽しんでいました。
年齢も環境も違う3人がまるで昔からの友人同士のように。
それも子供のように楽しんでいるんです。見れば、観客も!スタッフも!

挨拶3-1


これを見てしまったからには、日本の心の母「オカン」は応援する以外にはないですよね。
よしっ、まかしといてんかー、次も頑張ってライブやれるようにしたるからなーって感じですよ。全く。
ファンがいるからミュージシャンがいる。
ミュージシャンがいるからファンがいる。
多分、これこそが私の大好きな生きているジャズなんですねっ。

というわけです。これからも、いい音楽を届けられるように頑張って参ります。
その時その時、持てる限りのベストを尽くして参りたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

Cloud produce yy

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挨拶3-3


photo:susumu nagao
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