極私的二〇一六年度十大ニュース 

一、オペラ『ユキとマリア・桟橋の悲劇』始動。
  数年後に上演されるはずのオペラの台本を書きあげました。「蝶々夫人のその後」といったような物語です。コシノジュンコさんが衣装をデザインします。

二、映画『エヴェレスト 神々の山嶺』上映。
  ぼくは泣きましたね。岡田さん阿部さん尾野さん、平山さん、お疲れ様でした。

三、歌舞伎座で新作歌舞伎『幻想神空海 沙門空海唐の国にて鬼と宴す』上演。
  高野山開創1200年記念で、空海に市川染五郎さん、橘逸勢に尾上松也さんという豪華な配役で華麗な舞台でした。

四、春風亭昇太「笑点」の司会に
  時々、一緒に釣りに行っている昇太さんが、「笑点」の司会者になりました。その前に釣りに行ったりしていたのですが、ぜんぜんわかりませんでした。おめでとう、番組の方も好調で、よかったです。

五、北海道で、六十五センチのイトウをゲット。
  いやあ、気持ちよかったです。

六、萩尾望都さんの『ポーの一族』再び。
  みなさん、これは、この二〇年、ぼくが萩尾さんにお願いしつづけて、やっと実現したんですよ。ほんとです。涙がちょちょぎれそうです。

七、CDブック『蝉丸』発売。
  このために、陰陽師の短篇を書き下ろしました。このCDブックでしか、読めません。スガダイローさんたちと、何度もやった朗読コンサートがおもしろかったなあ。

八、映画『空海 KU-KAI』の撮影現場へ
  チェン・カイコー監督がぼくの『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』を撮っている中国まで行ってきました。現場には巨大な都市長安ができあがっていました。凄いです。予算一五〇億円ですよ。はやく観たいです。

九、『ちいさな おおきな き』 が、小学館の児童文学賞を受賞しました。
  いい絵本になりました。山村さんの絵がいいんですよ。ぜひご一読を。

十、『ヤマンタカ 大菩薩峠血風録』出版。
  凄くおもしろい剣豪小説になりました。きっかけを作ってくれたジブリの鈴木さんのおかげです。

 では、よいお年を!

 二〇一六年十二月三〇日 小田原にて――  夢枕 獏