夢枕獏公式Blog「酔魚亭」 - ライブドアブログ

忙しくなってきました。
日本に帰った途端、獏先生もペルーから帰っていらっしゃって、怒濤のような日々の始まりです。
年末に向けてのいろいろなイベントをこなしていかなくてはならないのに、JAZZの仕事どころではないですね。

でもいいJAZZを聴いただけで、忙しい気分がどこかに吹き飛んでしまうので不思議です。
そのいいJAZZがこの場合とても大切なキーワードになるのですが。

私にとってのいいJAZZとは・・・
リズムと温度と色と言葉を感じることができる音楽。

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コペンハーゲンのアパートの中庭に植えられていたティナスベリー。

とりあえず、今、コペンハーゲンで仕入れてきたたくさんのCDを聴いています。
日本でももちろん手に入るものもたくさんあるのですが、現地で現地の値段で買うということが私にはやはり重要な重みになります。
折角買ったのに全然よくない、といったことまで含めて私の財産になるのです。
これは負け惜しみですかー？
はい、そうです。よくないものもあった分、いいものに出会えた時の喜びは激しいのは皆さんお分かりですよね。

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　散歩の途中でみつけたたくさんのベリー。

先日、初めてWEB上でたくさんのジャズ評を書いていらっしゃる方たちとライブにでかけてきました。
デンマークから来たミュージシャンを一緒に聴いて来ましたが、とても新鮮でした。今まで私は一人で聴いてきたので、ああ、同じようなことを考えていらっしゃる方がいるんだ、と。
皆、凄腕の批評家なので、私はとても太刀打ちできません。が、少しでも私が何かできることがあったら、という想いで同席しておりました。
それにライブを主催していたレーベルの方もとてもいい感じです。
皆、JAZZが大好きなんですね。
その日のミュージシャン、トーマス・クラウセンもマイペースに生きている感じが素敵で素晴らしくいい男に見えました。
イタリア人で今ベルリンに住んでいるというドラマー、アンドレア・マルセッリもとてもフレンドリーでいい人。

JAZZを通じて知り合う人たちは、どこかオタクめいてて、それでいて暖かくて、共通した空気が流れています。
本当にありがとう、って誰に向って言えばいいのでしょう？
うーーむ、強いて言えば、JAZZを始めた偉大なミュージシャンたちにでしょうか。
JAZZの歴史も気になるところですが、今はそんな暇はないので、次の仕事に入るためにまた気分転換にジャズを聴いています。

今、一番しっくりくるジャズは、キース・ジャレットのピアノが静かに降りてくる、The Melody At Night, With You。
このアルバムは、I Love You Porgy　で始まりますが、私的にはこれが素晴らしい一曲です。
なぜでしょう、何もいらない、この曲に癒されてただただ眠りたいと思います。
嫌なこともすべて許してしまいたい、今日このまま眠りにつけば明日はきっと違う風が吹いているかも、という思いにさせてくれる曲です。

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　ホテルに置いてあったキャンドルの灯り。

タグ：: キース・ジャレット

夢枕獏

作家、1951年1月1日、神奈川県生まれ。東海大学文学部日本文学科卒。
1977年に作家デビュー。以後、『キマイラ』『サイコダイバー』『闇狩り師』『餓狼伝』『大帝の剣』『陰陽師』などのシリーズ作品を発表。 1989年『上弦の月を喰べる獅子』で日本SF大賞、1998年『神々の山嶺』で柴田錬三郎賞を受賞。2011年『大江戸釣客伝』で泉鏡花文学賞と舟橋聖一文学賞を受賞。同作で2012年に吉川英治文学賞を受賞。
漫画化された作品では、『陰陽師』（漫画　岡野玲子）が第5回手塚治虫文化賞、『神々の山嶺』（漫画　谷口ジロー）が2001年文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞をそれぞれ受賞。映画化された作品に『陰陽師』『陰陽師2』（東宝）、『大帝の剣』（東映）などがある。